こんにちは!ネットラボ編集部です。
日本人の国民病ともいわれる花粉症。近年、その花粉症をはじめとして、なんらかのアレルギー症状を持つお子さんが増えています。大人も子供も悩ますアレルギーに対して私たちはどうすればいいのか。大学病院、市中病院でアレルギーを専門に診療を続けてきた『ひっぽこどもアレルギークリニック』の保崎一郎先生にお話を伺ってきました。
子ども達のアレルギー疾患について
──アレルギー疾患の現状について教えてください。
「子供のアレルギー疾患は、主に食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎の4つがあります。この他に蕁麻疹や金属性アレルギーなどもありますが、全体の9割以上がこの4つに当てはまります」
──1つひとつの現状と対策について教えていただけますか。
「当院では食物アレルギーの負荷試験をおこなっています。許容量を見極め、少量ずつ摂取することで食べられる時期を可能な限り早くするのがこの試験の目的です。一昔前まで、アレルギー反応が起こる食物は完全に除くのが一般的でした。しかし、血液検査の数値が高くても食べられる子はいますし、その逆もありますから、現在では安易に特定の食物の摂取を完全に制限するのは一般的ではありません」
「食物アレルギーで問題となるのが、アナフィラキシーショックです。実は、少しでも食べられる子は、アナフィラキシーが起こりにくいのです。アナフィラキシーが起こることは避けなければならず、そのためにも、少しでも早く食べられるように持っていってあげるのが私たちの役割と認識しています」
花粉症の根本的治療となる舌下免疫療法の可能性
──花粉症に対する舌下免疫療法について教えてください。
「『舌下免疫療法』とは、エキス状のアレルギー物質を少量飲み込み、それを毎日続けることによってやがて抗体ができ、症状がなくなっていくというもの。内服薬や点眼薬、点鼻薬は対症療法であり、“治る”わけではありません。それに対し、『舌下免疫療法』は根本的治癒を目的とする現状唯一の治療法です」
「杉とダニに対して反応が起こってしまう5歳以上のお子さんが対象となり、3~4年以上、療法を続けていくことになります。以前は皮下注射する方法があったのですが、定期的に注射をおこなうのは負担が大きく、一定以上広まることはありませんでした。『舌下免疫療法』は皮下注射と比較するとはるかに簡便ですし、痛みもないということで、ここ数年広がりを見せています。治療を受けた100パーセントの人が治るというわけにはいきませんが、80%の人が完全に治る、もしくは症状が非常に軽くなるという結果が出ています」
──お子さんだけではなく、親御さんからも「自分も受けたい」という希望があるのではないですか?
「そうですね。お子さんが花粉症の場合、親御さんもそうであることが多いんですね。当院ではご希望があれば、お子さんのみならず、親御さんも一緒に受けていただけるよう体制を構築していきたいと考えています」
気管支喘息は死を恐れる病気ではない
──気管支喘息の現状と注意点について教えてください。
「『気管支喘息』は、吸入ステロイド薬が世に出てから大きく変わりました。いわゆる喘息死は、1950年代には約16,000人を数えたものが、2016年には1,500人を切るまでになっています。15歳以下のお子さんに限ってみますと、喘息で亡くなる方は非常に稀なケースとなっています」
「『気管支喘息』は、ステロイドの吸入を適切におこなってさえいれば、死を恐れる必要はない病気となってきています。一昔前のように、運動を制限されることもなく、学校を休む必要もありません。病気のコントロールができていれば、そんなに心配になる病気ではないということを知っていただきたいですね」
アトピー性皮膚炎は薬の量がポイント
──アトピー性皮膚炎は「治りにくい病気」という印象があるのですが?
「確かにその通りですが、ほとんどの方はお薬を塗る量が絶対的に少ない、というのが診療を通じて感じるところです。つまり、治療量に達してないことが多いんですね。『ちゃんと塗ってるのに治らない』という方に伺ってみますと、1週間で使い切る量を1ヶ月、場合によっては2ヶ月使われているというケースが少なくないのです」
──治すためにはお薬を塗る量が大切ということなんですね。
「仰る通りです。どのくらいの量を塗るべきなのか。塗り方も含め、私たちがしっかり伝えていく必要があると思っています。お薬を渡すだけでは不十分ということですね。当院では私や看護師が、スキンケアも含めて丁寧に説明をおこなっていきます。アトピーで悩んでるお子さんは是非ご相談ください」
先生からメッセージ
──感染症対策についても教えてください。
「通常の診療室と乳幼児健診・予防接種の入り口を別々とし、受付や待合室、診察室も院内感染を防ぐ目的で区分けしています。お熱のあるお子さんと一緒の空間にいることを不安に思う方もいらっしゃることでしょう。物理的にそれを避けることで、安心して来院いただける形となっています。」
──最後に、先生からメッセージを
「アレルギーは体質です。すぐに治るものではなく、長く付き合っていかなければなりませんので、その間、どうコントロールしていくかが大切になります。先にもお話しした通り、お薬の量をはじめとして適切にコントロールすることで、日常生活を支障なく暮らしていくことは十分に可能です。アレルギーでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください」
INFORMATION
ひっぽこどもアレルギークリニック | ||
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電話 | 044-299-8320 | |
所在地 | 川崎市高津区溝口5-24-8 ライフ溝口店2F | |
最寄駅 |
高津駅 徒歩9分
溝の口駅 徒歩11分 武蔵溝ノ口駅 徒歩12分 |
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駐車場 | 112台の大型駐車場(90分無料)あり | |
診療時間 | [平日]09:00〜12:00 14:00〜18:00 [土曜日曜]09:00〜12:00 14:00〜16:30 |
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休診日 | 木曜 | |
Web | https://www.hippo-clinic.com/ | |
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