嶋谷 卓也　オーナー（美容室 tela（テーラ）)のインタビュー

友人の髪の毛を切ったことをきっかけとして

高校生の時に友人の髪の毛を切っていたことがこの道に進むきっかけとなりました。頼まれて仕方なく切り始めたのですが、思いの外評判が良くて。それで請われれば周囲の人の髪の毛を切るようになったんですね。単純に楽しかったですし、好きなことをして喜んでもらえる、それが仕事になるならもう迷う必要がなかったということです。最初に頼んだ友人は大胆というか、自分なら絶対頼まなかったと思いますが（笑）。

原宿、たまプラーザ、溝の口に店舗にあるサロンに勤務し、2016年4月に『tela』をオープンしました。やはりお客様はお近くにお住いの方が多いですね。30代から50代の方々を中心に、幅広い層のお客様にご利用いただいています。

居心地のいい美術館のように

コンセプトは「居心地のいい美術館」。私は美術館の雰囲気が好きなんです。でも、あまりに洗練され過ぎていると落ち着かないというか、なんとなく居にくい感じがしませんか。ですから、それと相反する「居心地のいい美術館」をコンセプトにデザインを発注しました。木の枠のない鏡、壁の文字などなど。私の好みを伝え、細部にこだわった空間となっています。ギャラリーのように洗練されている、でも、意外とくつろげる。日常にはない空間と癒しを同時に体感していただければ嬉しく思います。

お客様が本当に求めているもの

お客様が本当に求めているものは何か、ということを常に考えるようにしています。お客様の中には髪型の写真を持ってきてくださる方もいらっしゃいます。実際は、その写真通りにして欲しい、なんて人はほとんどいらっしゃらないのですが、じゃあ、なぜその写真を持ってこられたのか、何がその人の心に触れているのかを考えることが大切です。例えば、写真にある雰囲気がふわっとした感じであれば、それを念頭にしてお客様に合うよう「こうしたらもっといい感じになるんじゃないですか」とアレンジして提案してあげると、満足度は高まります。また、言葉の表面だけにとらわれていてはダメな気がしますね。例えば、はっきりとは口にされなくて、何か言い淀んでいるような感じが見えたとしましょう。なぜ迷われているのか、その理由を推察し、汲み取ることが大切と思うのです。

カウンセリングでスタイルが決まれば、あとは形にするのみ。そのための技術論はあえて語ることもないでしょう。結果、髪を切った後の日常がその人の想像した通りか、それ以上のものにすることが私たちには求められるのです。

私自身が実感し、あくまでお客様の視点でより良いものをセレクト

美容室では様々な薬剤を使いますが、基本的には私自身が体験したものだけをお客様に用いています。その際に重要視するのが、美容師の目線ではなく、お客様の目線で違いがわかるかどうか、ということ。例えばシャンプーにしても、美容師は良くも悪くも細かな違いが実感できたりします。でもその違いがお客様に実感できないものでは、あまり意味がありません。何事もお客様目線で考えていくことが大切です。

実際に使用する際も、お客様のご希望に応じて適切なものをチョイスしていくことになります。例えばカラーリングで頭皮が弱っていると思われているなら、根元は刺激の少ないオーガニックのものを使い、毛先を発色の良いものにしていくといったようにです。繰り返しになりますが、そのベースとなるのがお客様とのカウンセリングなのです。

地域のみなさんへメッセージ

もう1つ大事にしているのが、美容室の日常の1つひとつをクォリティ高く、ということ。カットでもカラーでも、シャンプー1つとってみても、お客様が「すごく良いものを提供してもらってる」と感じていただけるよう、細部にこだわっています。

『tela』は洗練された空間で、癒しの時間と高品質のサービスを提供していきます。今のスタイルにしっくりいってない方、髪の毛にお悩みのある方、そして日常にはない空間と癒しを感じたい方は是非お気軽にご来店ください。