武野氏 陽介 院長（太陽歯科クリニック)のインタビュー

歯科医師を志されたきっかけと、高津区で開業した経緯について教えてください。

歯科医師を志した一番の理由は、「手に職をつけたかった」ことです。どこに行ってもいくつになっても仕事ができ、食べていける技術を身につけたかったのです。わたしの父はサラリーマンでしたが、かといって勤め人がやりたくなかったというわけでもありません。ただ将来を見据えたとき、「これは確実にできる。一人でも何とかやっていける」と確信が持てる職業として歯科医師を志しました。ひとつの方向性として医療に進んだわけですが、結果的に自分には向いていたと思います。わたしの出身は東京の世田谷で、子供のころからなじみの深い二子玉川を中心としたエリアで開業地を探していました。探しているうちに範囲が拡大していき、ちょうどこちらの物件が見つかって開業させていただくことになりました。川崎市高津区は昔ながらの街がそのまま残っている感じで、古くからお住まいになる方も多く、人同士の交流を大切にする土地柄だと思っています。時折患者さんから果物をお持ちいただくこともあり、しみじみこちらで開業させていただいてよかったと思っています。都心にも近く、学生時代や修行時代に知り合った友人たちも近辺に住んでいますし、学会や勉強会などのイベントにも足を運びやすいので、何かと情報収集がしやすく便利ですね。

各専門の先生がいらっしゃいますが、スタッフ構成と診療科目ならびに方針について教えてください。

当院で取り扱う診療科目は、一般歯科、口腔外科、矯正歯科、小児歯科、審美歯科、インプラントです。矯正歯科は認定医がおりますし、一通りどのような症例にもご対応できる仕組みは整えています。矯正治療が必要なお子さんがいらっしゃれば、早めにご相談いただけたらと思います。わたしは口腔外科も得意としているので、簡単な手術であればこちらでいたします。横向きに生えてしまって取り除くのが困難な親知らずの除去などは、これまでたくさんこなしてきました。ただし悪い物の疑いがある方や精密検査が必要な症状につきましては、提携する大学病院をご紹介いたします。

お口の健康について、先生のお考えをお聞かせください。

お口の健康を損なうことは、QOL（生活の質）と全身の健康、ならびに人生の楽しみを台無しにしてしまうことと考えています。わたし自身食べることが大好きです。ですので、歯の状態が悪くておいしく食べられなければ、それだけで気持ちが重くなり楽しみが半減してしまいます。食事の楽しさは、味や香りだけではなく食感が大きく左右します。硬いせんべいなどは、丈夫な歯があってこそ楽しめるものです。そのほかにも複雑な噛み応えや歯ざわりが感じられて、患者さんが食事を心底楽しめるような仕上がりにすることがわたしの使命だと考えています。食事は単に空腹を満たすためだけのことではありませんから。

診察で心がけていることについて教えてください。

まず成人の患者さんには、じゅうぶんにご理解いただけるようにわかりやすくご説明をしています。次に歯科医院への恐怖心をなくすことに心を砕いています。最近は治療器具や施術も進化していますので、以前ほど治療に「痛み」を感じにくいようになっています。ですので、特に経験値が少ないお子さんには「怖い」という先入観を抱いてほしくないですね。歯医者に行くことを苦痛にさせないために、お子さんの治療のときはとにかくほめまくっています。ご来院1回の治療プロセスの中で、歯を削る、詰める、クリーニングするなどのステップをひとつ我慢するたびに、「よくできたね！すごいよ」と声をかけます。そのうちに診察台の上のお子さんは、おだてられて「その気」になってきますので、ずっと口を開けていてくれるのです。当院ではBGMや室内空間にも工夫し、治療中はとにかくリラックスしていただけるようにしています。緊張しますと動悸の元になりますし、かえって痛みを感じやすくなることもあるためです。

最後に地域の皆様にメッセージをお願いします。

残念なのですが、みなさまの予防意識が高まっているとはいえやはり歯医者には「痛くなってから行く」という認識の方が多く、定期的にはお見えになる方は決して多くはありません。できることであれば、美容院にいらっしゃる感覚でふらりとお寄りいただきたいのです。どんなことでも早めにご相談いただければ、症状は重症化せず治療も安く済みます。3ヶ月に1回など、定期的にお越しいただければさらによいと思います。歯ブラシの使い方ひとつでもご相談ください。当院のよいところは、家族や地域の口コミでいらっしゃる方が多いことです。老若男女さまざまな方がお見えになります。どのようなお悩みにもご対応させていただいていることからか、新規でお見えになる患者さんはご紹介でお越しいただく方が多いです。信頼して受診していただけることが、わたしたちの「強み」であり｢誇り｣でもあります。

※上記記事は2013.11に取材したものです。
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