村川内科クリニック 村川 裕二 院長 YUJI MURAKAWA
東京大学医学部医学科卒業。同大学医学部第2内科に入局。ジョンスホプキンス大学医用生体工学部門研究員。帰国後、東京大学第2内科・循環器内科助手を経て、帝京大学医学部第4内科学講座教授に就任。2020年8月17日に『村川内科クリニック』を開院(JR南武線「久地駅」を降りてすぐ)。帝京大学溝口病院客員教授。
東京大学医学部医学科卒業。同大学医学部第2内科に入局。ジョンスホプキンス大学医用生体工学部門研究員。帰国後、東京大学第2内科・循環器内科助手を経て、帝京大学医学部第4内科学講座教授に就任。2020年8月17日に『村川内科クリニック』を開院(JR南武線「久地駅」を降りてすぐ)。帝京大学溝口病院客員教授。
大学卒業後、母校の循環器内科へと入局したのは、心電図というものに惹かれたからでした。表現が適切かどうかわかりませんが、心電図を読むのは、クイズを解くような面白みがあります。例えば、心電図を見れば年齢や喫煙をされているかどうか、といったことがわかるのです。患者さんに聞けばわかることですから、診断に直接関わることではないのですが、その奥深さに惹かれたということなんですね。
『村川内科クリニック』は2020年8月に開院いたしました。私はこの春にそれまで勤務していた帝京大学溝口病院を退職しました。もういい年齢になっていますが(笑)、この歳になってクリニックを始めるという新しいチャレンジができることを嬉しく思っています。
例えば、抗凝固薬やベータブロッカーを用いるのは手間のかかることですし、ある程度専門的な知識が必要となりますから、その点においては、循環器の医師としての経験が生きる部分でしょう。大きな病院と一般のクリニック。その間を補う、補完的な診療を循環器の分野で担っていきたいと考えています。専門医がクリニックで診ることで充分な患者さんもおられます。そして病院に行かれた方がベターな方もおられます。専門医のフィルターを通し、適切な道にご案内することが私たちに課せられた役割と認識しています。
開業から間もないのですが、循環器の関係の疾患を抱えた方はもちろんのこと、一般内科の患者さんもいらしていただいています。一般内科に関しては、やはり得意ではないゾーンというものがあります。循環器と関係の深い糖尿病や腎臓の疾患については、近場にあるゾーンとして経験を蓄積してまいりました。先にお話ししたことと重なりますけれど、自分の得手不得手を認識し、分を超えるものについては、各専門医の先生の元にすみやかにご案内することも街の開業医の役割と考えています。
昨今、「高血圧の薬には意味がない」「糖尿病の治療は意味がない」といった内容の書籍を巷で見ることがあります。糖尿病にしても、何も治療をしなくても20年は無事に過ごせるかもしれません。しかし、私の専門である循環器の分野において、心筋梗塞や大動脈瘤破裂等、血管の病気が起こる方の大部分は血圧などに大きな問題を抱えていらっしゃるのです。命が助かったとしても、その後遺症で寝たきりになってしまう方も少なくありません。今だけではなく、長い将来を見据えて、正確な医学的知識を提供するのも私の責務と考えています。
レントゲンを撮るにしても、採血をするにしても、心電図を撮るにしても、目的は個々で違うことになりますし、検査のインターバルもその人その人で異なります。この検査が何を意味するものか。プロセスを見るのにどのくらい間を開けるのが適切なのか。そこを患者さんに理解いただけるよう説明を尽くすことを心がけています。逆にいえば、一律に検査をするようでは、そのロジックは破綻していることになるでしょう。
治療のスケジュール化は重要です。例えば、血圧のお薬が2錠、3錠と増えていくことがありますよね。その場合、前もってお薬が増える可能性と、その目処についてお伝えすることが大切です。お伝えせずに、ただお薬が増えるのでは、患者さんも不安になってしまいます。治療の内容を私も患者さんも共有していくことがこれからの医療には求められるのではないでしょうか。
動悸や胸痛を1つのきっかけとして、念のために検査を受けてみることをお勧めします。症状がなければ、病院やクリニックを訪れる気にはならないでしょう。ちょっとした症状をサインと捉え、大きな病気を防ぐきっかけとしていただきたいのです。安心のためにも、何か胸の症状がありましたら、お顔を見せていただければと思います。
※上記記事は2020年8月に取材したものです。
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