伊藤 準之助 院長(いとう歯科医院)のインタビュー

いとう歯科医院 伊藤 準之助 院長

いとう歯科医院 伊藤 準之助 院長 JYUNNOSUKE ITO

「道は自分で切り拓くもの」。曾祖父・祖父の生き方に憧れて

わたしで歯科医は4代目です。まだ歯科医師免許すら存在しなかったころ、曾祖父が新潟県で開業しました。主に身体が不自由で来院できない方を訪問診療でお世話していたそうです。幼い頃かわいがってもらった祖父のクリニックに出入りし、いろいろ話を聞いているうちに歯科医師になる意志が固まっていったように思います。当時、歯科医のパイオニアだった曾祖父の元で育った祖父の話は、やはり面白かったのです。まだ日本にはなかった学問や技術を貪欲に取り入れ、道を切り拓いていった曾祖父は憧れの人でもあります。
そんなわたしを見た祖父からは、歯科医になるよう勧められましたが、父は何も言わずわたしの自由意思に任せてくれました。歯科医師以外に進路として検討したのは弁護士でしたが、わたしはどちらかと言えば理科系です。手先が器用なこと、間近でいつも見てきた仕事が歯科医師だったことなどを考えた結果、わたしも同じ道を歩むことにしました。

ただ家族をロールモデルにするのではなく、自分なりの歯科医師の在り方をいちから築いていきたかったのかもしれません。祖父や父とは異なる大学に飛び込み、勉強のほかにスポーツにも打ち込みました。そしてそろそろ将来のことを考える5年生あたりから、研修先の検討をはじめました。研修医制度は全国に赴いて勉強できるまたとないチャンスです。また、自分が不得手としている外科分野をみっちり学べる機会でもありました。

琉球大学医学部附属病院歯科・口腔外科に決めた理由は、(1)血を見るのが怖くて外科が不得手な自分を変えたかったこと、(2)地続きではない地理条件から、島のさまざまな症例を一手に引き受けなくてはならなかったこと…..などからです。口腔外科が取り扱う大きな領域には、がん、先天性奇形、骨(こつ)切りの3つがあるのですが、琉球大には県のすべての症例が集まります。本土にいれば、症例ごとに専門の病院があり細分化されていきますが、こちらでは急を要する患者さんもいらしてわたしたちでお世話するしかありませんでした。

少数精鋭でベテランの方が多かったことから、一番年若いわたしが治療に携わる機会は多く、必然的に「出ずっぱり」になりました。施術の機会が多ければ多いほど手が慣れますし、度胸もつきます。外科の施術は2年間でかなり多くの数をこなしてきたこと、そしてガンの患者さんを完治させることができない「やるせなさ」から少し遠ざかってみたかったこともあり、北大東島での離島診療を選択しました。そちらで様々な方のお世話をさせていただいた後は、大田区のクリニックで院長を3年ほど務めさせていただき、機が熟したと感じた2018年3月に開業の運びとなりました。

ご自身の歯とできるだけ永く付き合う手段を、たくさんご用意してお待ちしています。

診療方針は、患者さんがご自身の歯をできるかぎり残し、その歯を長持ちさせて使っていただけるよう全力でお支えすることです。そしてそのための治療の選択肢をできるだけ多くご提示し、患者さんにお選びいただこうと考えています。患者さんのご事情に応じた治療の流れをいくつもご提示させていただきます。こうした方針には丁寧かつ徹底した聞き取りと、お口の中の現状把握、そして将来を見据えた治療計画が欠かせません。
そこで、患者さんには「悪いところだけを手っ取り早く!」という考えを捨てていただくようお願いしています。患者さんのお口の状態によっては治療期間がある程度かかる場合もありますが、その際にはちゃんと説明させていただきますのでご安心ください。また海外留学・赴任、あるいは出張、引っ越し、入院のご予定など、時間的な制約がある場合はその旨を組み込んで考えさせていただきますので、どうかご相談ください。

噛むことをあきらめない優れた義歯があります。

当院では、「コーヌスクローネデンチャー」という義歯をお作りしています。この義歯は(1)しっかり噛める、(2)取り外しが可能、(3)見た目がきれい、(4)自分の歯が少なくても作れる、(5)ずれにくい、といった優れた特徴がありますが、作成が難しく限られた歯科医院でしか取り扱っていません。
残っているご自身の歯に金属の土台(内冠)を取り付け、その内冠にぴったり合うクラウン(外冠)を組み込んだ義歯です。全身の状態によりインプラントの手術が難しい方、外科処置が苦手な方、入れ歯でよりよく噛みたい方にお勧めしています。

ただ歯が数本しか残っていない患者さんの場合、生活習慣に問題のある方が少なくありません。治療に当たっては、生活習慣を変えていただくよう、しっかりとしたコンサルティングをさせていただきます。歯周病治療をしっかり終えた後で、承ることもあります。

いくつになっても自分の歯で。高齢者の歯の健康を全面でサポートします

住宅地で開業するにあたって考えたことは、高齢者医療です。いくつになってもご自身の歯を使って健康に暮らしていただくために、常に歯を最良の状態に保っていただきたいと考えています。しかし患者さんの中には、ご自身の脚でご来院いただくことがかなわなくなってくる方もいらっしゃいます。そのために、訪問診療もさせていただいていますので、どうかご相談ください。
研修医の頃口腔外科を専門に選びましたのは、実は高齢化医療も念頭に置いていたためです。口腔外科医は全身疾患を持っていらっしゃる方も診察できます。かかりつけ医として末永くお支えさせていただけたらと思います。

目下のところは、摂食嚥下の問題にも取り組んでいきたいと考えています。まず高齢者の数からニーズの度合いを検討したうえで、わたしがお世話できる範囲と専門病院に任せる範囲も考えていかなくてはなりません。

大型モニターで隅々までくっきりと。自作スライドでとことん説明します

診療で心がけていることはまず、丁寧でわかりやすい説明です。十分ご納得いただくまでご説明するためには、時には言葉だけでは不十分です。そこで、わたしが自前でスライドをお作りし、患者さんの診察台の目の前にある大型テレビモニターでご覧いただいています。治療前のお口の状態と治療後のイメージなどが、隅々までくっきりとわかり、よりご理解が進むのではと思います。
※上記記事は2018年4月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

いとう歯科医院 伊藤 準之助 院長

いとう歯科医院伊藤 準之助 院長 JYUNNOSUKE ITO

いとう歯科医院 伊藤 準之助 院長 JYUNNOSUKE ITO

  • 好きな音楽: サウンドトラック。特にディズニー映画の音楽
  • 好きな場所: 海
  • 趣味・特技: ダイビングや筋トレなど体を動かすこと。好きなダイビングスポットは沖縄、熱海など。
  • 愛読書: 歴史書。フィクションが入ったものではなく、史実に添って人物像を描いたもの。
  • 好きな映画: 海外のアクション映画、ディズニー映画。
  • 座右の銘: 石田三成が残した「大一大万大吉」。意味は、「ひとりが万民のためにつくし、万民がひとりのためにつくせば、全員が満足できるに違いない」

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