秋 政成 院長（あき歯科医院)のインタビュー

この道を志したきっかけや現在に至るまでの経緯をお聞かせください。

いささかお恥ずかしい話ですが、私も小さい頃は虫歯が多く、歯では随分痛い思いをしてきました。その経験があったからこそ、「痛い思いをしなくていい歯医者に」と考えたのが、私の原点になります。『あき歯科医院』は昭和63年（1987年）に開院しました。話が戻りますが、私が子供の頃の時代は小児歯科というものもなく、それはそれは大変でした。とにかく痛くて（苦笑）、しかも治療の説明もなにもあったものではなく、口を開けた瞬間にいきなり削り始めるなんてことはしょっちゅうでした。
当時感じた思いを踏まえ、私どもは「痛くない治療」と、「納得のいくまでの説明」を心掛けて患者さんに接しています。

治療の説明には写真を主に用いられていると伺っていますが？

『あき歯科医院』では現在に至るまで1万人を超える患者さんの口腔写真データを保存しています。「納得のいくまでの説明」と申しましたが、口頭での説明だけでは自ずと限界があります。細かいディテールまでを患者さんに伝えるには写真による説明が不可欠という訳です。「百万言を費やすよりも…」ということですね。写真を保存していくことには、一種の定点観測のような意味合いもあります。患者さん1人ひとりの変化をその都度捉えていき、過去と現在を分析することによってその方の未来の予測を可能になるんです。
また、データが残っているというのは、自分の勉強のためでもあります。人間は「忘れる生きもの」なんですね。その治療がどのような結果をもたらしたのか。過去を振り返り検証することで、さらなる治療の進化につながると考えています。

『あき歯科医院』の診療方針をお話しください。

歯医者というのは、どうしても治療をしたがるものです。そこをあえて治療をせず、経過を追っていくことも重要で、先に述べた写真はそのために必要なツールでもあります。私どもは小さな虫歯はなるべく削ることをせず、予防処置でコントロールしていくことを目指しています。状況にもよりますが、歯の表層のエナメル質に出来た虫歯は再石灰化することで消失することも多く、それをむやみに削っていくと、かえって再発のリスクが高くなります。どのような名医が治療しようとも、神様の作った歯には勝てません。出来る限り手を加えない治療が求められるのはそうした理由があります。また、あえて虫歯を残すことで、患者さんの衛生管理へのモチベーションを高める効果もあります。
患者さんは当院の診療方針にご納得いただき、喜んでいただいています。だって考えてみてください。誰だって削られたくないし、痛い思いはしたくはありませんからね。

抜歯即時インプラントとはどのようなものでしょうか？

抜歯即時インプラントとは、文字通り、歯を抜くと同時にインプラントを埋入する治療方法です。まず、歯を抜いた状態で埋入することで余計に歯肉を切り開く必要がなくなり、それにより腫れることもなくなります。また、抜歯した直後は、自己治癒機能が活発になりますので、それを利用してインプラントを埋入してあげれば、治りも早くなります。抜歯即時インプラントは全てのインプラントに適用が可能というわけではありません。当院ではHAインプラントと呼ばれる種類のものを使用していますが、これは骨と同じ成分であるハイドロキシアパタイトが表面にコーティングされており、その結果、もともとある骨にインプラントが“馴染みやすい”状態へと導きます。
東洋人と西洋人では骨の厚みや質が違うのは当たり前のことであり、その点を考慮した日本人のための、安心で安全なインプラント治療をこれからも模索し続けていきたいと考えています。

最後に地域の皆様へメッセージをお願い致します。

私どもは快適な空間でアットホームな雰囲気を保つことを心掛け、患者さんに安心して治療を受けていただけるよう、心を込めた説明と対応をおこなっています。最新の医療は日進月歩です。より良い歯科医療サービスが提供できますように常に学んでいきたいと思います。これまで以上に努力し、これからも来院される方々のお口の健康を第一に考えていきたいと思います。

※上記記事は2012.12に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。