めい動物病院 竹内 潤一郎 院長 JUNNICHIRO TAKEUCHI
北里大学卒業後、動物高度医療機関での修行時代を経て武蔵新城で開業(JR南武線武蔵新城駅より徒歩3分)。
国内外で循環器診療を行うJASMIN動物病院循環器病センターの研究員である一方、地域の動物に愛される頼れる獣医さん
北里大学卒業後、動物高度医療機関での修行時代を経て武蔵新城で開業(JR南武線武蔵新城駅より徒歩3分)。
国内外で循環器診療を行うJASMIN動物病院循環器病センターの研究員である一方、地域の動物に愛される頼れる獣医さん
北海道にいた小学生の頃から動物が好きでした。当時住んでいた社宅でもハムスターやセキセイインコの世話をしていたのですが、どうしても犬に触れたくて近所の方に頼み込んで飼い犬の散歩などもさせていただいていました。
ある日朝起きていつも通りハムスターの様子を見たところ、少し苦しそうにしているのがわかりました。本当は気づいてすぐに何かできたらよかったのですが、その日は学校のスイミングスクールの日。とにかくスイミングスクールから戻ったらすぐに病院に連れて行こう!と考えていたのですが、帰宅したときには動かなくなっていました。きっとその前に予兆があったはずなのです。遅くとも前日までに気づいていたら、事態は変わっていたかもしれません。そのときはじめて、自分に知識や技術があったら....と獣医になる将来を意識するようになりました。
しかし獣医師になるには高いハードルがありますし、まだ小学生だったので就きたい職業はこれからも出てくるかも.....と当時は夢のひとつとして、また憧れとして考える程度でした。その後中学の卒業文集で「10年後の自分」について書く欄がありまして、そこで再度「自分は何がしたいか」を具体的に考え「見習い獣医さん」と書き込みました。
その後進んだ大学付属高校で、さらにその気持ちを揺るがないものにした出会いがありました。それは個性豊かな友人たちです。やりたいことがしっかりあって、その夢を語る友人たちはとてもまぶしく見えました。ある日、「で、竹内は何がしたいの?」と聞かれ一瞬ぎょっとしたのですが、「獣医師!」と即答した自分がいました。自分で自分を導いていくような強い意志がある人はその道を突き進むだけですが、一方周りの「後押し」で踏み切れることもあります。わたしはそんな友人たちと出会えて本当に幸せだと思います。
当院の診療コンセプトは、「獣医師が飼い主さんの身内となって話ができるように」ということです。特に飼っている動物が重い病気にかかっている、助からないかもしれない…といった深刻な事態になったとき、「この子はどうなってしまうのか」「治すためにどのくらいお金がかかるのか」「どのような世話をしたらよいのか」を、獣医師が「きれいごと」ではないところまで話し、そのご家族がお選びいただける選択肢をきちんとご提示することで、気持ちの整理が着くことがあります。
そのためには、飼い主さんにもその子が現在苦しんでいる状況と、してあげられることの限界(手間・予算を含む)などを、遠慮のないところでお話していただきたいのです。そのようにして獣医師とご家族との距離が縮まるほど、その先のステップがより明快に見えてくると思います。最終的にご判断をされるのは飼い主さんですが、その前に具体的な選択肢を複数お出しするようにしています。やはり「逃げ道」がないのは、ご負担が大きいと思います。
お見えになる飼い主さんには、ご納得いくまでじっくりお話しますので多少時間がかかります。しかしこうした手順を省きますと、すべてがいい加減になってしまいます。待合室で長くお待たせすることもあり、大変申し訳なく感じています。
家から一歩出たり、ケージに入れられるだけでも強いストレスを感じる動物がいます。室内飼いでふだん散歩に出ない猫は特にそうですね。
そこで診察の際わたしが第一に心がけていることは、動物の精神状態を落ち着かせることです。体調が悪いのに、いきなり診察台に乗せられて知らない人にあちこち触られたら、強いストレスを感じると思います。初めて病院に来る子は特にストレスは大きいと思います。まずはケージに入れた状態あるいは飼い主さんの膝の上に乗せたまま、どんな症状があるのかお話をお聞きします。下痢や嘔吐の有無、食生活、ふだんのご様子などを伺っていますとあっという間に10-15分かかります。その間は診察台に乗せている必要がまったくありません。
お話を聞き終わったところで、動物にわたしの手のにおいをかいでもらいます。自己紹介替わりに手のにおいを差し出して、「敵意がないこと」を認識してもらうのです。一通りかいだ後、注意が別のところにそれるようになったらひと安心。次に「触らせてね」など声をかけながら診察します。
飼い主さんがふだんよくお気づきになるのは、皮膚病です。やはり自覚症状が一番わかりやすく、かゆそうにしているのが見ていられないようです。当然一番連絡も多いです。
一方見落としがちなのは飲んでいる水の量です。次におしっこ、うんちの回数と量。健康でいるときはついつい一緒に遊ぶことが楽しくて忘れがちですが、実はふだん元気にしているときのチェックをしているとちょっとした「異変」にも気づきやすくなります。犬で飲む水の量が増える場合は、糖尿病・腎臓病・副腎疾患・子宮疾患などの恐れがあります。猫の場合は腎臓病などに注意してください。
また猫の場合は、エサ皿にエサを入れっぱなしにして少なくなったら追加するという方も多く、どれだけ食べているかきちんとチェックされていないことがあります。一日何グラムぐらい食べているのか、だいたいでよいので把握していただきたいですね。
中高齢犬の場合で心臓病を患っていたら安静時の呼吸回数が1分で30-40回を超えたら要注意です(正常時は15-20以下/分)。呼吸が早くなっている場合、「様子見」で手遅れになることがありますので、かかりつけ医にご連絡していただくのがいいと思います。
当院に見えられる飼い主さんのなかには、かなりパニック状態になっていらっしゃる方もいます。動物がこれまでにない状態に陥ってびっくりしてしまい、何からお話すべきか分からない状態だったりします。動物と接するときと同様、飼い主さんにも落ち着いていただかなくてはなりません。そこでご様子を見ながら、忘れないように一気に話したい方には聞き手に徹し、緊張されている方には世間話から入るなど、本題に入る前に少しお時間をいただくこともあります。
地域の皆様にお願いしたいことは、当院でなくてもかまいませんので「かかりつけ医」を持っていただくことです。たまに動物病院にあちこち出向く方もいらっしゃるのですが、そうしますとカルテは分散化しますし、それぞれの獣医師が病歴を把握できず治療が後手後手に回ります。また行く場所がいつも初めてのところであるため、動物にも大きなストレスがかかります。
初診で緊急時にご来院された方、そのご家庭に「かかりつけ医」がいらっしゃるかお聞きしています。いらっしゃる場合は、その後の治療をかかりつけ医でみてくださるように心がけております。やはり安定した医療を受けられることが、その子にとって一番大切なことなのです。
※上記記事は2018年5月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
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