この道を志したきっかけや現在に至るまでの経緯をお聞かせください。
私もご多分にもれず歯医者さんが苦手で(苦笑)、それでも痛くてしょうがないので歯医者さんに行ったのですが、治療をしてもらってその痛みが取れる。「ああ、良かった」って心から思えたんです。そのときの記憶が心の奥底にずっと流れていたんだと思います。その後、治療される側でなく、治療する側。逆の立場になることが出来たならと強く思うようになったんです。しかし、実際大学に進んで色々な方の話を聞いているうちに、虫歯を治すのではない方にシフトしていくのですが・・・。
東京歯科大学を卒業し同大学矯正学講座に入局しました。将来何をなそうかと考える中で、当然、一般によく知られた歯医者さんというイメージはありましたが、そうではなく、数ある科の中から矯正という道を選んだ理由は、
治療期間が他の科に比べて長くなりますから、必然的に患者さんとの付き合いが長くなるという認識があったからです。
また、医局の雰囲気も傍目から見て良く感じたということと、そこだけ特別なものという感じを受けたんです。ここで何がおこなわれているんだろうという純粋な興味から入っていったのです。
学位を取得し、矯正専門医院での勤務を経た後、2002年に『神保矯正歯科』を開院致しました。私は地元が川崎ですので、この近辺にはすごく馴染みがあったんです。
矯正をすることの意味についてお聞かせください。
まずは機能です。機能とは噛むとか、食べるという人間の営みの根底にあるものです。もうひとつは形態。見た目の美しさと言いますと良い印象を持たれないかもしれないのですが、ときにそれは人の元気の源となることがあります。
そして良い機能と良い形態というのは、実は両輪のようなものです。良い機能には良い形態が伴いやすい。機能的に問題があれば形態が悪くなる可能性が高くなります。その逆もまた然りです。
機能と形態のバランスをとっていくという意味において、矯正が果たす役割は非常に重要であると考えています。
院長先生の好きな言葉で「笑顔でグッバイ」とありますが?
3年間の矯正専門課程において様々なレクチャーを受けます。そこでひとりの先生が口癖のように仰っていた言葉が「笑顔でグッバイ」です。患者さんには治療の過程において、頑張っていただかなければならないこともあります。けれども最後には必ず笑顔で送り出してあげたい。そういう気持ちを表した言葉だと解釈しています。
人と人の関係には終わりがありません。どこかでまたお会いする機会があるかもしれない。それが10年後であろうが20年後であろうが、次に気持ち良く関係をつなげるための「笑顔でグッバイ」です。
基本的なことですが、非常に重みのある、私にとって大事な言葉となっています。
矯正歯科に特有なことだと思いますが、治療が終了した際に記念撮影をしてお別れをします。治療期間は長期に渡ることが多いですから、その労苦を分かち合うというか、最後に写真をお撮りするんです。そこで見る患者さんの笑顔が何よりのやりがいとなっています。
お子さんの矯正ついてお聞かせください。
小さなお子さんの場合、少し口が開いているというだけで歯並びや噛み合わせを悪くしていることがあります。歯並びが悪くなることで本来持っている機能が損なわれていく。その負のサイクルを良いサイクルに変えてあげること。それがお子さんの矯正の1番の目的だと考えています。永久歯が生えた後は、我々のカテゴリーから申しますと皆さん、大人のカテゴリーとなります。第一期矯正治療と呼んでおりますが、年で言うと小学校低学年まで。ほとんど乳歯の残っている人に対しておこなうのがお子さんの治療ということになります。
姿勢は噛み合わせに密接に関係しているものですが、例えば猫背の方は歯並びの悪い方が多いのです。その際に「背筋を伸ばすようにしてください」とお伝えしても1回言っただけで治るものではありません。その理由を説明し、意識せずに身体を動かしてもらえるようになるまで根気よく助言をおこなう必要があります。
成長段階にあるお子さんの場合、長い目で見て歯に良い影響を及ぼす行動を促す、もしくは弊害となる可能性のある癖や行動を改善していく。良い歯並びや良い噛み合わせを育むという観点で治療をおこなっていきます。
最後に地域の皆様へメッセージをお願い致します。
少しでも気になる時があったなら、そう思ったときが矯正をお始めになる1番良い時期だと思っています。20歳で遅いと思う方もいれば40歳で「もう40歳だから」とあきらめてしまう方もいる。人それぞれなですが、ハッと気がついたときが1番良い時期なんです。それから思い悩んで1年、2年が経過したら、最初に思ったときよりは確実に時間は経っているわけですので。当院では目立ちにくい装置も多数ご用意しておりますので、ご自分のライフスタイルにあった治療方法で、楽しみながら矯正治療時間をお過ごしいただければと思っております。
しかし、そう考えたとして、何分にも経験がないことですので、不安はいっぱいお持ちだと思います。
当院はカウンセリングを無料でおこなっております。矯正に関する単純な疑問から、自分にはどんな方法があるのだろうかといった具体的な事までしっかりとお応えしますので、どうぞお気軽にご相談ください。
皆さんが健康で笑顔が溢れるというのが1番。そのことのお役に立てることがあれば、何よりも幸いに思っております。
※上記記事は2011.2に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。
神保矯正歯科 神保 芳之 院長 YOSHIYUKI JINBO
- 好きな映画: スティング、パピヨン(70年代は映画を頻繁に見てました。)
- 好きな言葉・座右の銘: 笑顔でグッバイ
- 好きな音楽: 歌謡曲からクラシックまで幅広く
- 好きな場所・観光地: 沖縄
- 生年月日: 1963年5月19日
- 出身地: 神奈川県
- 血液型: O型
- 好きな本・愛読書: 鉄道、車…etc、乗り物を扱った本を読むことが好きです。