村田 知隆 スタイリスト（美容室…ing　二子新地店)のインタビュー

この職業を志したきっかけについてお聞かせください。

従姉が美容師をしていまして。たまに弟や僕の髪をカットしてくれていたんです。それを見てて、あ、おもしろそうだなって思って。従姉からいらなくなった美容雑誌をもらって読むようになり、だんだんと美容師の道を志すようになりました。高校生になって進路を決めるという時に、美容学校に行きたいと両親に言ったんですが、これが大反対にあって（笑）。全然ダメ、話にならないと。それで一応、大学に入ったんですけど…。
男性の場合、仕事って一生ものじゃないですか。自分がやり続けられるもの、魅力を感じるものって何だと考えたら、やっぱり僕には美容師の道しかないと思いまして。それで、1年で大学を辞め、通信制の学校に通いながらいまのお店で働かせてもらうようになったんです。

美容学校を卒業するのに2年、それからサロンに入って3年。普通であれば実際にお客様につくようになるまでには5年弱かかる計算になります。しかし僕の場合、両親の反対を振り切ってこの世界に入ったわけですから、なるべく早く一人前になりたかった。それでサロンで働かせてもらいながら通信で勉強をするという方法を選んだんです。
3年。絶対に3年間で美容師になろうと誓いました。親にあれだけタンカを切った以上、後には引けない、やるしかない、そういう気持ちでしたから（笑）。

お店の理念についてお聞かせください。

当店は創業して30年（2010年現在）になります。いまはもうハサミを置いてしまったんですが、創業当時から社長がモットーとしているのが『やさしく、丁寧に』ということです。痛くなることがないよう、髪をいたわって施術をするというのは大前提なんですが、どんなに忙しくてもお客様のことを第一に考え、決して粗雑になることがないよう、力を尽くすということですね。

お客様に100%満足していただくというのが理想なんですが、毎回そう思っていただけるようにするのはかなり難しい事です。どれだけそこに近づけるか、プラスアルファしていけるか、それを常に追求してそのための努力を怠らないということを心掛けています。

施術中のこだわりについてお聞かせください。

お客様が一番気になるのは、施術後の手触りであったり、再現性だと思うんです。それを損なう原因となるのが毛髪の痛み、ダメージなんですね。当店では毛髪のケアを一番重要視しています。シャンプーやトリートメントにも刺激が少なく、なおかつ髪に自然な潤いを与えることのできる薬剤を使用しますし、パーマやカラーをする際も頭皮や毛髪へのダメージを極力抑えるよう気を配っています。

新しい技術、新しい薬剤の研究は日々おこなっていますが、肝心なのはそれがお客様にとってどうなのか、ということです。流行っているからすぐ取り入れるということではなく、お客様にとって本当に必要なものなのかどうか。
髪の状態、地肌の状態、目指すスタイリングは様々ですから、おひとりおひとりに合ったケアの方法を模索しなければなりません。常にお客様の目線に立つということを心掛けていきたいと考えています。

接客で心掛けておられること、お客様についてお聞かせください。

気づき、がどれだけ出来るかということですね。どんなに忙しくても、また余裕がある時でも同じようにお客様に気を使えるように。お客様がちょっと咳き込んだらお水を出してあげるとか、飴をお持ちするとか。そういうちょっとした心遣い、小さなことをどれだけ気づいてあげられるかということを一番に心掛けています。誰かがやってくれるというのじゃなくて、スタッフみんなで全てのお客様に目を配っていこうということです。

ご年配の方から2歳くらいのお子さんまで、本当に幅広い世代の方にご利用いただいています。朝とかすごいですよ。おばあちゃんがズラーっと並んで一瞬で席が埋まってしまったりとか（笑）。
この仕事の魅力はいろんな方のお話を聞けるということだと思います。様々な職業についてのお話だとか、人生についてですとか、近所のうわさ話ですとか（笑）。
すごく勉強になりますし、貴重な経験をさせていただいてるという感じですね。

最後に地域の皆様へメッセージをお願いします。

小さなお子さんをお持ちの方は、美容室って行きづらいと思われているお客様も多いと思います。託児ルームがあるというわけではありませんが、子ども好きのスタッフが揃っていますので、ちょっとしたオモチャであやしたりだとか、電話をいただければ下に降りてベビーカーを上までお持ちするとか。お客様が安心して施術に集中することが出来るよう心を配ってまいりますので、どうか、気軽に、心配しないでご来店いただけたらと思います。

「一度来ていただければウチの良さをわかってもらえる」。社長がよく言ってることなんですが、是非一度お店にいらしていただいて、アットホームな空気、飾らないやさしさに触れていただきたいなと思っています。

※上記記事は2010.6に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。