菅野 亘 スタイリスト（美容室サロン・ド・クロエ)のインタビュー

美容師を志されたきっかけについて教えてください。

高校卒業後の進路を決める頃、漠然とですが自由な髪型で勤務できる職業を選びたいと考えていました。そんな折、テレビ番組のシザーズリーグが人気で、木村拓哉さんが演じた美容師という職業も脚光を浴びていました。私自身が幼少期から髪の毛をいじることが好きでしたし、職人的でもありお客さまに喜んでいただける仕事でもあることから、美容師になろうと決意しました。高校卒業後はすぐに上京し、働きながら通信教育で美容師の資格を取得しました。免許を取るまでの3年間は仕事との掛け持ちで大変でしたが、社会経験をしながらがむしゃらに勉強ができた充実した時間でした。

『サロン・ド・クロエ』さんのお店のコンセプト、セールスポイントについて詳しく聞かせてください。

お客さまにはサロンでくつろぐ感覚でお越しいただこうと考え、「癒し」のサービスと落ち着く空間作りに配慮し工夫しています。まず明るすぎず暗すぎないやさしい照明を演出するため、モロッコ製のシャンデリアを配置しました。最近は「アンティーク」が流行ではあるのですが、当店ではエキゾチックな雰囲気も加味し大人っぽい空間にしています。音楽やお飲み物にもこだわりました。お客さまには、薫り高い紅茶やNESPRESSO（ネスプレッソ）でお出しするコーヒーなどでおもてなしし、ゆっくりおくつろぎいただいてます。施術にはしっかり1時間かけています。その中にはカットだけではなく、シャンプーやマッサージまでが含まれます。当店ではご要望をじっくりお伺いしながら、お客さま･美容師ともに妥協のないカット･サービスをご提供いたします。お見えになるお客さまは30代の女性の方が多いですね。ふだんお忙しく過ごされている世代ですから、仕事や家事・子育ての合間に当店に来店すると、ほっと一息つけて豊かな気持ちになれるとご好評いただいています。その次に多いのは、やはり何かとお忙しい20代女性のお客さまです。
またふだんからお越しいただいているお客さま限定ですが、お体や脚の具合が悪くて外出できない場合に出張でのカットサービスもご提供しています。特にご高齢のお客さまにはお気軽にご相談いただきたいと思います。

菅野さんが考えるヘアケアと、3種類のトリートメントメニューについて教えてください。

わたしが考えるヘアケアは、まず「髪の毛を痛ませない施術」にあります。毛髪の内部組織のことまで日ごろから地道に研究･勉強をかさね、髪の毛を痛ませずに元気にするような施術を心がけるようにしています。たとえば痛んでしまった髪には、たんぱく質のケラチンを内部まで浸透させて補修します。「あのお店に行くと、髪の毛がつやつやになる。元気になるね」とおっしゃっていただければ、これほどうれしいことはありません。当店ではお客様の頭皮や髪質の状態に応じて、3種類のトリートメントをご用意しています。まず3500円の施術は内部補修をしっかりして髪を潤わせるタイプのものです。髪を本来の状態に戻し「しっとり」させるのが特徴です。2,500円の施術は、髪の毛の表面にトリートメントの吸着をよくするコーティング剤で膜を張るものです。現在お使いのトリートメントの効能を倍増させることができます。最後が2000円の施術ですが、こちらはヘッドスパと兼用になっています。現在流行している炭酸入りの薬剤を使ったものではありませんが、頭皮と毛髪を両方トリートメントします。施術後は髪がさらさらになります。

美容師をやっていて「よかった」と思うこと、サービスで心がけていることについてお聞かせください。

仕事をしていて感じる「喜び」についてわかりやすい例で申し上げますと、サービスを受けたお客さまの日常に、「彼氏・彼女ができました」「今度結婚することになりました」などの喜ばしい変化が起き、次回ご来店の際に嬉々としてお話をされるときですね。そんな人生の局面にわたしが携われることに、心の底から喜びを感じます。また、年齢や職業もさまざまですから、1時間の施術の中で自分の知らない世界をお話しいただけることがうれしく、大変勉強にもなります。日々サービスで心がけていることは、お客さまのその日の状態を拝見しながら、お疲れの場合には話しすぎず、おしゃべりをされたい場合にはやさしく語りかけながらお世話させていただくことです。そして何より大切にしているのは、乱雑で「ごちゃごちゃした」印象を与えないことです。当店はお客さまにとって「非日常」の空間ですから、リラックスして心静かに楽しくお過ごしいただくために、できる限りのさまざまな演出を常に考えています。

最後に地域の皆様にメッセージをお願いします。

福島から上京して最初に住んだ場所が高津区で、しばらくずっとこの地でお世話になってきました。わたしにとっては大変なじみがあり、自分の「原点」に帰れる場所でもあるのです。地元のサッカーチーム「川崎フロンターレ」も応援してます。試合も見に行っています。近隣のみなさまには、「遊びに来る」感覚でお越しいただけたらと思います。
※上記記事は2013.11に取材したものです。
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