この道に至るきっかけと、これまでの経緯をお聞かせください。
私は長らくコンピューターメーカーに勤務していました。その生活が25年に及んだころ、地方への転勤という話が挙がってきました。私はこの地で生まれこの地で育った人間なものですから、「では次の道を」ということを考えるようになったんです。私はサラリーマン時代、ほぼ技術のみでごはんを食べてきました。「モノを作る」ということに関して、いささかのノウハウと自負を持っておりましたから、それを活かす形で何か出来ないものだろうかと思っていたところ、ガラスに出会ったんです。
最初に基本の技術を教えていただき、その後は自己流でひたすら研鑽に努めました。やがて仕事の依頼もいただくようになり、光栄なことにいくつかの賞も頂戴するようになった頃、旧工房内に教室を構えました。 川崎市には日本で初めてガラスを学べる学校として開校した『東京ガラス工芸研究所』があります。私自身はそちらの卒業生というわけではありませんが、それを1つのきっかけとし、多くのガラス作家や工房がここ川崎に集まっています。"ガラスシティかわさき"。ガラスの魅力を伝えるべく、私もその一助となれればと考えています。
『光ガラス工房』の概要を教えてください。
注文製作としては、ドアや間仕切りなど、店舗や室内インテリアに使用する板ガラスや鏡等への彫刻を承っています。依頼者からの持ち込みデザインに基づいて製作するパターンと、こちらでイチからデザインを考案して製作するパターンとがあります。また、グラスや器等の小物類に関しても製作を承っています。例えばBARなどでグラスにお店のロゴを入れるといったことですね。記念品や御贈答品、引き出物等をお考えの方はお気軽にお問い合わせいただければと思います。
サンドブラストとは?
『光ガラス工房』ではサンドブラストと呼ばれる技法によって製品を作り上げていきます。サンドとは、砂(研磨剤)、ブラストとは圧力や風力を意味し、砂を吹き付けることによって対象物であるガラスの表面を削っていくのがサンドブラストです。この技法も細かいことを言いますと、「平彫り」「二段彫り」「段彫り」と分かれ、当工房ではこのうち、対象を立体的に見せることの出来る段彫りを駆使した製品を中心にしています。
ガラス教室についてお話しください。
生徒さんは20代から80代と、意外に幅広いのがこのお教室の特徴かもしれません。主婦の方が中心になりますが、男性も数名の方が熱心に通ってこられています。お教室では、先程申しました「平彫り」「二段彫り」「段彫り」と、段階的にステップアップしていく形をとっています。やはり技術的なことを理解していかないことには習得が難しいものですから、一気に上達するというわけにはなかなかまいりません。しかし、ちょっとずつちょっとずつの成長が目に見えるのがこの世界でもあり、皆さん自分のペースで思い思いに楽しんでいらっしゃるようですね。
出来上がった作品を街の方々にご覧いただける教室展を秋に開催しています。もう13回を数えますが、そうした機会も皆さんの励みになっているようですね。
最後にお客様達へメッセージをお願いします。
ガラス工芸と言いますと「かたい」「敷居が高い」と思われがちなんですけども、やる気さえあれば、どなたでも出来るのがガラスの世界です。こちらでは、スタートは非常に簡単な作り方からお教えしています。そこを入り口として技術を高め、自分の思い描いたイメージをそのまま作品に出来るよう頑張っていただければと思います。通常の講座とは別に一日体験教室も随時おこなっておりますので、ご興味のある方は気軽にいらしてみてください。ガラスの世界の、奥深くて楽しい魅力を是非体験していただきたいですね。
※上記記事は2014.2に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。
光ガラス工房 中山 光雄 主宰 MITSUO NAKAYAMA
- 好きな本・愛読書: 科学系雑誌
- 好きな映画: 男はつらいよ
- 好きな言葉・座右の銘: 誠実
- 好きな音楽: 演歌
- 好きな場所・観光地: 箱根、伊豆(海沿いが好きですね)
- 生年月日: 1949年3月30日
- 出身地: 神奈川県
- 血液型: O型
- 趣味・特技: 園芸、釣り