小林 隆司 院長(ブレストケア高津)のインタビュー

ブレストケア高津 小林 隆司 院長

ブレストケア高津 小林 隆司 院長 TAKASHI KOBAYASHI

長野県出身。国立金沢大学医学部医学科を卒業後、金沢大学付属病院を始め、北陸圏の関連病院に勤務。その後、帝京大学医学部附属溝口病院の外科講師に就任。2021年12月に乳腺科、乳腺外科を専門にした「ブレストケア高津」を開院。(東急田園都市線「高津駅」から徒歩3分)

大学病院で乳腺科、乳腺外科の専門医に

もともとはスポーツ選手のトレーナーになりたかったんです。高校生のときは知識もなかったので、なんとなく医学部に行ったらなれるのかなと国立金沢大学の医学部へ進学したのが医師を志した始まりです。勉強を進めるなかで、がんの治療に興味を持ち始め、外科の道へ。大学卒業後はそのまま石川県や富山県の病院に勤務していました。ずっと消化器外科に携わっていたのですが、当時の外科部長に「乳腺疾患を診てみないか」と言われたのがきっかけで、乳腺科、乳腺外科を専門で診るようになり、2016年には当院の近くにある帝京大学医学部附属溝口病院の外科講師に就任。その後、2021年12月に乳腺科、乳腺外科を専門とした「ブレストケア高津」を開院しました。

乳がんの早期発見に繋がる乳がん検診

乳がんの診療に長く携わるなかで、常に思っていたのは早期発見が一番大事だということ。乳がんの治療法、手術や薬物療法というのは学問的にかなり進んでいますが、年々患者数も増えていますし、やはり一定の確率で亡くなってしまうこともあります。乳がんでの死亡者数を減らすためにも、早期発見。それに繋げるための検診業務というのは、誰かが本腰を入れてやらなくちゃいけないことだなと思っていたんですね。加えて、乳がん検診について、患者さんから「どこで受ければいいんですか?」と聞かれることも多く、設備が整っている大病院だと敷居が高くて受けづらいという声もよく聞いていました。ですので、一念発起ではありませんが、気軽に検査を受けられるクリニックを作ろうと。気軽に受診できる=検診率の増加に繋がるとは一概には言えないですが、少なくとも受診する場所としての選択肢は増えるのかなという考えもありましたし、今後の外科医としての人生を考えたときに、後輩に技術を伝えることも大切だけど、それとは別の部分でも患者さんと向き合うことを大事にしたいなという気持ちもあり、開業に踏み切りました。

大学病院とも連携した乳腺科、乳腺外科クリニック

当院は、私以外のスタッフが全員女性。レントゲンの技師もマンモグラフィー撮影技術認定資格を有する女性の放射線技師です。私自身も日本乳癌学会の認定医・乳腺専門医ですので、安心して検査、治療を受けていただけると思います。また、当院が休診の日は古巣の帝京大学医学部附属溝口病院での外来を受け持っていますので、大学病院とも密に連携が取れていること。当院で対応が難しいものも、すぐに大きな病院で診てもらえる、というのも強みだと思います。患者さんによっては、いきなり大きな病院となるとハードルが高いなと思われる方もいらっしゃると思うんです。その病院自体、どんな雰囲気なのかな、どんな先生なのかなと、そういった部分も不安になる要素だと思うので、場所が変わってもドクターは変わらずに自分が診る、といった部分では安心感を持ってもらえるのかなと考えています。

患者さんの気持ちに寄り添うカウンセリング室

ほかの病院にない設備として、カウンセリング室というスペースを用意しているのも特徴のひとつです。患者さんと向き合うなかで、がんの告知など不幸なニュースをお伝えしなくてはいけない場面がどうしても出てきます。そういうときの患者さんは冷静に見えても、あとあと「どうやって帰ったか覚えていない」などと聞くことが多く、「少し冷静になれる場所があるとよかった」という声をよくもらっていたんですね。診察が終わってお会計して、病院を出ても不安ばかりで気持ちが落ち着かない。やっぱり「乳がんです」と言われると頭が真っ白になってしまい、何を話したのか覚えていないし、気持ちが落ち着いたあとに質問や疑問が出てくるんですよね。家に帰ってからだと思いつくことが全部不安になってしまうので、その前に落ち着いてもらえる場所を作ろうと考えたのがカウンセリング室です。看護師がそばについている形ですが、少し経つと思い浮かぶことも多く出てきて、それを話すだけでも冷静になっていただけるのかなと。検査や治療だけでなく、患者さんを精神的な面でもフォローが出来ればと思っています。

定期的に検診を受けてもらえる場所で在りたい

乳がん検診は一度受ければ大丈夫というものではなく、2年に一度など定期的に行うことで初めて検査として有用性が出てくるもの。年齢的な変化も含めて継続的にトータルで診ていくことで、わずかな異常を見つける。それが早期発見に繋がるのかなと思っています。マンモグラフィーによる検査はどうしても痛いので、申し訳ないなという気持ちもあるのですが、マンモグラフィー検査は50年以上も乳がんの早期発見に役立つと言われているもの。50年も医学界で変わらず残っているものって逆に少ないんですよね。それだけ有用性があるというものですので、痛みがあるのは仕方ないと考えていただくといいのかなと。年齢によってはエコー検査がおすすめの場合もありますので、検査の際に相談いただければより良いものをご提案できると思います。ひとりでも多くの方に検査を受けていただけることが目標ですので、お近くの方はもちろん、遠方からでもぜひ。気になることがあるときはひとりで悩まずに、まずは相談に来ていただけたらと思います。

 

※上記記事は2021年12月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

ブレストケア高津 小林 隆司 院長

ブレストケア高津小林 隆司 院長 TAKASHI KOBAYASHI

ブレストケア高津 小林 隆司 院長 TAKASHI KOBAYASHI

  • 出身地: 長野県
  • 趣味・特技: スポーツ観戦、ゴルフ
  • 好きな言葉: 「尽くして求めず」「一隅を照らす」医者になったときの大学の教授がよく言っていた言葉です
  • 好きな場所: 自然のあるところ。ゴルフ場など緑があるところが好きです。

INFORMATION